こっそり読書&ダイエット記録ブログ

読んだ本を忘れないように記録します。 目指そう!年間100冊 そしてレコーディングダイエット!(2008年より)

9「乳と卵」川上未映子

芥川賞受賞作品。

東京にいる私が大阪の姉の巻子とその娘の緑子を2泊3日で泊めてあげるところから物語は始まる。
巻子は豊胸手術を受けるために上京するわけで、娘の緑子は口を開かずノートの筆談でやり取りするというこの設定がまず面白いと思った。

2日目の夜にとうとうこの親子がぶつかりあって腹をみせあい終息に向かっていくのだが、
その前のひとつひとつの色々なエピソードがあり、緑子の抱えている問題が私も思春期に感じたことがあり、共感できた。

次の作品はどんなものを書くのかな?とまた読みたい気分になった。

8「謎解き広重「江戸百」」原信田実

江戸時代の浮世絵師、広重の描いた「名所江戸百景」はこれまで四季に彩られた江戸の名所を描いたとされてきた。
でも、それにしては謎めいた人をぐっと惹き付ける魅力があり、作者はこれらの絵がメッセージを帯びているからではないかという。
まさに謎解きであり、へぇ〜、なるほどと思うことしきり。

確かに、小説家だってその当時の事件を題材に書きたくなるものだし、浮世絵師だってそうだったに違いない。けど、検閲にひっかかると困るので大写しの近景の構図の中に上手いこと隠した。
この説は正しいように思える。
が、案外何も考えずに描いたりして??本当のところはどうだったの?広重さん!

巻末に謎解きに書かれなかった絵も含め全部載っているのが嬉しい。

7「愛しの陽子さん」よしもとばなな

次女がプレゼントしてくれた文庫本。

エッセイというのはその人の素顔が出ると思う。
すごく純粋で人を、そして子供を愛している人だなぁと。
読んでいてとても温かい気持ちになれた。

なにげない日常生活のひとこまにきらりと人生観を垣間見せるところはさすがだ。

最後に読者との質問に答えるばななさんがいいなと思った。

6「お月さん」桐江キミコ

読売新聞の講評で評価が高かったので、読んでみた。


誰でも自分の過去に忘れたい部分とかあると思うのだけど、そんな昔のことを思い出させる短編集。

私はといえば、昔小学生の頃?八百屋さんのいちごを一粒つまんで匂いをかいだことがあった。と、その時、八百屋のおやじに見られていて
もしかしたら私が食べるのではと勘違いされたかな?とか
すごく気まずい嫌〜な空気が流れて、封印したい過去なのだけど、そんなことを今更ながら苦笑いしながら思い出させてくれた小説。

ちくっと痛いけど、読み終えると余韻があって読んでよかったと思えた小説だった。

5「伊勢物語」坂口由美子編

「昔、男ありけり」で始まる「伊勢物語」

この本はビギナー向けに簡単に訳してあり、原文も現代訳の後に書いてあるので比べられていい。
高校時代に習った時はひたすら訳すことに夢中であまり内容は覚えていなかったのだけど、読み出すとあぁ、この話もと思い出す。
中年になってから読むと男と女の心の機微がわかって非常に面白い。


在原業平の歌のうまさ。
昔の恋愛は歌があって恋が始まる。
歌が下手だと相手にもしてもらえないし、歌で冷めた男の気持ちを引き止めておくことができる。

現代語訳と原文を読むと原文の美しさに驚く。
古典嫌いの娘にも読ませたいと思った。